兵庫県立美術館 安藤ギャラリー(2) 青いリンゴ
兵庫県立美術館の中に、新しく建築家安藤忠雄氏のギャラリーが開設されました。
公共美術館に建築家の個人ギャラリーを造ってしまうことなんて、今まで日本では誰もしなかったこと。
これをしてしまう安藤さんの力には感服するばかりです。建築家の社会的地位を安藤さんはかなり押上げた人であることは間違いありません。これから100年後にも名前が残っているのは、やはり丹下さんと安藤さんなんでしょうね。
兵庫県立美術館の動線の核となるのがこの円形の階段
人の動きが見えるのが良いです。
ぐるりと回っていって、そこから海が眺められるというのもワクワク感を演出します。
何と行っても光と影が綺麗。
登っていきますと、安藤ギャラリーがあります。右の大きな建物は既存。左奥が増築部
この安藤ギャラリーは、既存に増築したものですが、まったく違和感なし。もう最初からあったのではと思えます。
しかし、既存の建物にこのギャラリーを組み込むのは相当苦労があったと思います。もしかしたら最初から造るつもりが
頭の中にはあったのかも。
断面模型。
このギャラリーを組み込むことで、エントランスからの見え方格段に奥深くなりましたし、動線も迷路的になり面白くなっています。
で、ギャラリーから外を見ると、海との間には青いリンゴ
床に映る影が美しい文様を作り出します。
この青いリンゴは、安藤さんの発想で、人間年齢に関係なく、いつも青く若々しいのが良いということを暗示しています。
確かに、気持ちが一番大切。
大きなフレームの既存建物の間に挟まったガラスカーテンウォールの部分が増築部。
これは、既存部分。おおきくはね出した庇が特徴。鉄骨造の建物ですが、コンクリート造に見えるところがまた憎い。
海へとつながる部分も公園にしてしまいました。
そしてさらに大きな広場も海に面して整備。
広大な広場です。
こちらは、増築部の4階の山が見えるテラス。
なぜ、屋根が折れ曲がっているか?
それは、下の階にある安藤ギャラリーから見上げた際にわかります。
海ばかり気にしてますが、実は山側は六甲山の山並みが続き、こちらも綺麗なんです。
そこのところを気付かせてくれます。
3階からの抜けのある空間。この反対側が安藤ギャラリーの3階部分入口です。
海と山に視界が抜けるギャラリー。
先程の4階の屋根が折れ曲がっているので、庇サイドからの光が軒裏を照らし、明るく浮いた屋根のように感じます。
手前の暗い天井との対比も綺麗。
屋根の架かった半外部から見下ろす安藤ギャラリー3階部分
高い天井のギャラリーは気持ち良い