建築が森になる。アクロス福岡 屋上緑化の見本となる建物
夜歩いていますと、福岡天神の公園の前に大きな森がありました。
夜でしたので、本当に鬱蒼とした森に見えました。
この森、実は建物の外部に基壇状に植えられた人工の緑
昼間見ますとこのような感じ。ビルが緑で埋まっています。
アクロス福岡は1995年竣工しました。
コンセプトデザインは建築家エミリオ・アンバース
アンバースは、緑化建築のはしりみたいな人で、外観に植木鉢のゲートを設けたり
建物全体を緑で覆ったり、今では誰でも提案することを、90年代初期から提案していました。
この建物は、完成から25年経ち、建物前の公園とも緑でつながり、そのコンセプト通り、緑の森になっていました。
屋上緑化や、バルコニーに緑を廻すといった設計手法は今では当たり前ですがここまで大胆に森にしてしまった建物は他にはありません。
ガラスの半円柱が飛び出していて、外観上のアクセントになっています。
この森は、上まで登れます。最上部には展望台もあるとのこと。でも登る手段は階段のみ。今回は遠慮しました。
建物の横を見ると、段々になっている断面が見えて面白い。かつモダンなファサードとの対比も面白いですね。
窓の外に出ているのは窓を拭くメンテナンス用のキャットウォーク。
デザインは面白い。建物も独創的。でもメンテは手間がかかる。そういうものです。
内部にはコンサートホールなど文化的施設が入ります。
エントランスホールは、大きな空間。大きな吹き抜け空間なんて、何も珍しいものではありませんが
ここの吹抜けは、森の下の段々床が下から見えるし、内部の壁面もアールだし、なかなか面白い、良い吹抜けだと思います。
天井の段々
ここは、外部から見たときに森の中に突き出した半円柱のガラスの筒の部分
光が綺麗に落ちてきて、これも見事。25年前ですよ。
今の建築、負けてない?