福島第一原発で放射能と戦う建設に携わる人々の努力

建物を作るのは無から有をつくることで、創造性を発揮し、ワクワクする仕事ですが、福島第一原発の作業というのは、極めて危険な作業を創造力で行い、基に戻すというとてつもなく苦労が多い仕事です。実際に作業を行っているのは、全国から選ばれたゼネコンの社員の人達。放射線の危険性が高いので、通常は半年で交代しています。私の友人は事故直後から現場に入り、職人さんの健康管理、安全作業に対する徹底した管理を行い、今でも福島に残り日々活躍しています。 今回、その作業所事務所に訪れ、パネルで説明を聞き、今度3号機で行われる使用済み燃料をプールから取り出すための装置の現場に案内してもらいました。 パネルの左上が事故当時の上空からの写真 見事に屋根が壊れ、その屋根材がバラバラになって落ちています。 このバラバラの部材を一つ一つ機械で取り除くわけですが、近くにはいけないので、全て遠隔操作によりクレーン等の重機を操縦します。 その道のプロ中のプロが呼ばれ、モニターに向かいながら、重機を遠隔操作し、一つ一つを運び出すという気の遠くなるような作業。 どうしても、機械でできない場合は、厚く重いタングステンのスーツを着た作業員がそれこそ命がけで現場に行きます。しかし、あびる放射線が多いので、数秒という時間しか現場にいられないということも多々あるそうです。 こうした、たゆまない努力の結果、パネル写真の左下のように、やっと部材が片付いてきました。 今度は、プールに浸かっている使用済み核燃料を取り出すという新しい展開が始まるようです。 塔屋の上に大きな架台を組んで、その上をクレーンが走り、燃料を取り出すそうです。 その架台とドーム型の屋根を実際に作り組み立てているヤードをおじゃましました。 港の一部に広大なヤードがあり、そこでクレーンを使いながら試験的に組み立てる作業を行います。この作業をおこなうことで、実際にできるかどうか、問題点がないかを徹底して検証し、改良を加え、本番に臨みます。 本番では、部材をパーツに分け、港から船で第一原発まで運び、組み立てるそうです。 きめ細かい作業を慎重に行います。万が一つも失敗が許されない命がけの仕事。緊張感が絶え間なく襲う厳しい仕事。 誰だって命を危険にさらす仕事は避けたいところですが、ここで働く職人さん、現場監督は、「俺がやる!」という強い意志と責任感に溢れています。人として尊敬できる素晴らしい人達です。本当に頭が下がります。