山口宇部市 渡邊翁記念会館 村野藤吾の出世作
山口県宇部市にある、渡邊翁記念会館です。
1935年着工、1937年竣工
大戦前の建物です。宇部市も戦災を受けましたが、この建物は奇跡的に残り、今もその姿を見せてくれます。
国指定重要文化財であり、近代化産業遺産にもなっています。
渡邊翁記念会館は、宇部生まれの渡邊祐策翁が、宇部になした数々の功績に対して建てられた建物。
明治から昭和にかけて活躍した実業家で、石炭経営からはじまり、道路、病院、水道施設の整備から教育に至るまで
今の宇部の基をつくった人物です。
1935年着工時の写真
廻りは、畑
正面
建物は、ゆるやかな曲面を描いていまう。
水平ラインの建物に対して、その前に建つ6本の白い柱は、この建物の建設に対して寄付をした会社の象徴
象徴的な柱
外壁は、タイル。塩焼きタイルという塩で焼いたタイル。現在は、改修されたタイルです。一部塩タイルも残されています。
玄関庇部分
床のタイルも建物に合わせて、緩やかなカーブを描いています。
白い柱が効いています。
公園側を見る。
銅像は渡邊翁です。
設計は、村野藤吾
その村野藤吾が、「私の出世作」と語っていたのがこの渡邊翁記念会館です。
戦前のドイツ表現主義の影響を受けたとされる建物。