リビング・モダニティ 住まいの実験1920-1970展(1)ルイスカーン・フィッシャー邸のコーナー開口部
国立新美術館で開催中のリビング・モダニティ住まいの実験展に行ってきました。
1920年代から1970年代に作られた住宅の名作を集めた展覧会です。
全ての住宅に魅力があり、いろいろな建築的要素は私もかなりの影響を受けてきました。
建築家のそれぞれの想いが詰め込まれた秀作ばかりでした。
その中でルイスカーンのフィッシャー邸の模型や開口部実物大模型が展示してあって、そのスケール感が実感できたのが本当に良かったです。
これがフィッシャー邸の全体模型
四角い箱を2つ、角度を変えて配置したシンプルなボリュームなんですが、ここに詰め込まれた哲学は計り知れないものがあります。
配置やプランニングは勿論素晴らしいのですが、ここで1点だけあげるとすると、リビングの家具のようなコーナー開口部です。
実物模型
景色を眺める窓は、ガラスのFIX窓。風や空気や香りを入れる窓は、板戸かガラス戸で開閉します。というふうに、窓を機能に別けてそれを形に落としたデザインをしました。
この出窓とも言える造り付窓は、家具と木製サッシが一体化したもので、建築をやっている人であれば必ずと言っていいほど、この家具窓に魅かれます。
ベンチに腰掛けて、風を感じ、外の緑を眺める。室内側には暖炉があるので、その暖炉の火を眺めてホッとする。そんなベンチです。
天井は2層分の吹抜け
ベンチは思っていたよりも座面が広く、深めにすわれるようになっていました。
換気用の窓を見るためのFIX窓と揃えないで、室内側にボックスとして飛び出させています。
その出っ張りがあることで、腰掛けた人にちょっとした安心感を与えています。





