日生劇場
ヒビヤカダンの前の道路を挟んで建つのは、村野藤吾設計の日生劇場です。
こちらは、重たい石の重厚感丸出しの建物。
ヨーロッパの古い建築とは違って無垢の石は勿論使えませんが、まるで無垢の石を積上げたように堂々とした柱がしっかりと建物を支えています。
これは、コーナーの石の目地や、そのフォルムデザインからくる印象ですが
ドンと大地に座っていて、これぞ石でできている建築と思わせます。
外壁に慎重に開けられた開口部の天井にはアコヤ貝が貼られ、車や外灯の光を反射して、煌びやかに見えます。なんとエレガントなんでしょうか。
帝国ホテル側から見てもその堂々とした外観は、他の建物を寄せ付けない力強さに溢れています。
石は、日本では建築材料で最も高価な仕上げ材の一つですが、重厚感と上質なイメージという素材の持つ最大の特徴を生かしきった建築だと思います。