O邸マンション改修工事(1)
昨年から設計しておりましたO邸の改修工事がもうすぐ完成します。マンションの一室の完全リフォームですが、これまでの工事の流れ等話していきたいと思います。
改修工事においては、竣工当時の図面が残っていれば設備や構造の位置等計画時に判断できるのですが、昭和46年竣工の建物でもあり図面もほとんどなく、今回も手さぐりでのスタートでした。
まずは、現場の寸法を測り図面化します。天井裏や床下等外して見れるところはそこから覗いて配管や躯体の状況を見ます。
当時のマンションの間取りは、南に2部屋取り、真ん中にリビング・ダイニング、更に北に1部屋とるというパターンが多いのですが今回もそれに似た間取りでした。
開口部のサッシは古く、窓の上がガラスの引き違いになっていて、夏は良いのですが冬は、ちょっと寒そうです。又戸車の調子も悪く、手直しが必要だと感じました。
南の2部屋は和室できちんと収納は設置されていますが、やはりリビング中心の今の生活ですと部屋の真ん中がリビングというのは光・風の観点から見直す必要があると思いました。
キッチンや水廻り(トイレ・洗面所)の位置は、給水・排水管のルートと絡んできます。位置を変える為には配管の勾配が取れるのかを考えなければなりませんが、今回は、床仕上げで80mmしか余裕が無く、また天井も低いので床を上げて排水勾配を取る訳にもいかず、できるだけ水廻りの位置は変えないで間取りを考える方向にしました。
玄関の扉を開けて中に入った状態の写真です。
いつも思いますが玄関に入った時の視界の拡がりや、空気感はどの物件でも大切にしたいと思います。今回の計画でもリビング・ダイニングと同じようにこの玄関の空間創りに力を入れました。