東京女子大学旧体育館(3)

アントニンレーモンドは、フランクロイドライトの弟子で、帝国ホテルの設計の為来日します。東京女子大の旧体育館暖炉は、ライトが用いた暖炉のノウハウが生かされ、吸気口の設置や高い煙突等により、暖炉の輻射熱が部屋全体を暖めたそうです。暖炉の壁には、帝国ホテルで使われたスクラッチタイルが使われ、暖炉形状は、チェコキュビズムを表すデザインがなされています。旧体育館には形の異なる5つの暖炉が残っています。 暖炉の火を見ていると、心が落着き癒されます。ライトが暖炉を用いたのは、当時核家族化されていく家族を食事の後もう一度集め、1日の出来事を暖炉を囲んで話し合う場として重要視したと考えられます。 次にライトの影響が残る花鉢です。 コンクリートでできていますが、どうやって型枠を当時作ったのでしょうか。 コンクリートの技術などほとんど無く、その中で多くの技術者や職人がチャレンジしたのですね。 サッシの開口は大きく、しかも非常に繊細なスチールでできていて、今も横軸回転で開きます。美しいサッシです。 取り壊すともうこんな豊かな建築はできません。暖炉があり、美しいサッシもある。空間構成も素敵ですが、ディテールまで神経が行き届いています。 建設当時の意気込みを感じさせてくれる、貴重な建築です。