東京女子大学礼拝堂・講堂(2)

東京女子大学礼拝堂の内部です。美しいコンクリート打ち放しの壁、天井、柱そしてプレキャストで作られたステンドグラス開口部が優しく迎えてくれます。 優しい光につつまれる空間をレーモンドは、ランシーの教会からヒントを得て、ここに再現したかったのでしょう。 ヒューマンスケールで、一人で静寂の中、ゆっくりと瞑想できます。 天井部分は、ハイサイドライトになっていて緑のガラスを通して光が天井を照らし、オーロラのような感じです。 下段の壁には石と日本瓦が貼られています。日本は、地震国ですので耐震要求が厳しく、レーモンドもそこのところは十分考慮して設計しており、柱と梁ががっちり建物を守っています。 鐘塔を支える柱は下は、4本ですが途中5本になり上部に向かうと3,2と減っていきます。 ル・ランシーの教会は、細い柱が独立して建ち、側廊も大きく規模も違います。街の教会なので収容人数も多く、それだけに静かに瞑想という感じではないかもしれません。ステンドグラスの色が艶やかで、正面の十字架もはっきりとわかります。 ル・ランシーの教会 柱の細さがうらやましい限り ル・ランシーの教会 内部外部共打ち放しです.天井はヴォールト天井でトップライトはありません。 ル・ランシーの教会 ル・ランシーの教会のプレキャスト部分 ル・ランシーの後ろ側パイプオルガン部分と、鐘塔を支える柱郡 光の中を柱が力強く上へと登っていきます。 建築は、まったく零から形ができていくのではなく、自然や過去の遺跡、過去の偉大なる建築からインスピレーションを得て、現代版にアレンジされていきます。レーモンドル・ランシーに感動し、光の礼拝堂をどうしても自分で作ってみたかったのかもしれません。女子大の礼拝堂は、大学の礼拝堂としてスケールも良く、非常に落着いた内部空間でした。