神田の家
神田明神の境内に保存されている神田の家を見ました。
神田の家の家主遠藤家は材木商で、多くの銘木を使って建てられています。
外壁の一部には江戸黒と呼ばれた黒漆喰が防火の意味も含めて用いられました。瓦との取り合いも美しい外観です。
2階からは、障子窓を通して柔らかい光が注がれます。
天井は、霧島杉と屋久杉の千鳥で、今はとてもできない高価な仕上げです。
木の持つ美しさとそれぞれの特徴を生かした意匠です。
この格間天井も杉の柾目を意匠に取り入れた美しい仕上がり。
この格子戸は細かい仕上げで、可動することで光と風を調節できます。
素材の良さ、美しさを知り尽くした施主だからこそできた建物ですが、やはり自然素材の持つ魅力は充分に感じ取ることができますし、経年変化を楽しむ上でも自然素材はこれからも使っていきたいと思いました。