根津美術館(2)
根津美術館の中にあるレストラン棟です。この小さな建物はシンプル・ミニマムな空間を体験させてくれます。無駄なディテールが一切無く、開口と屋根と壁がそれぞれ見せ場があります。まず開口部ですが、森に向かってガラスの開口がどーんとあり、無駄なサッシのラインが見えないのでそのまま森の緑が目の前に迫ってきます。都内でこんなに自然を感じられる喫店はなかなか無いでしょう。
天井と壁は、和紙をイメージした素材で天井からの光が和紙を通して室内に入り、柔らかい雰囲気を室内に醸し出します。
物と物がぶつかり合う部分をどう対処するかが、設計者の腕の見せ所でもあり、またそのディテールが建築全体まで影響するものですが、この建物はその部分が実にあっさりとして、それだけに折り紙の中にいるようなイメージをすんなりと受止めることができます。
入口から軒下をみた写真ですが、屋根もシート防水そのままで、本体の瓦屋根とはまったく対照的です。
これは、庭園内にいくつかある茶室の一つ。近くには池、小さな滝もあり、
静けさの中に水の音も聞こえます。
なかなか楽しい美術館です。