ルイス・バラガン サン・クリストバル(4)

馬舎の出入口扉は木製で上下に別れていて、上を開けると丁度馬の顔が出る高さに設計されています。 入口上には表札も付いていて、なかなかお洒落。 内部は、白い壁と天井で構成され、勾配屋根のハイサイドライトからの優しい光でみたされています。 馬舎の両サイドには調教用の道具を置く部屋と、くつろいで会話を楽しむ休憩部屋があります。 道具は綺麗に磨かれきちんと整理されています。大切に使い込んだ物もあり、非常に高貴で重厚感のある雰囲気の部屋になっています。 ソファーが置かれたリビング。ハイサイドからの光が空間を包み、厚い床板が敷き込まれ、ほっと落着く部屋です。窓の向こうは、牧草地が広がっておりソファーからは、水盤とピンクの壁が眺められます。 このサンクリストバルは勿論個人の持ち物であり、以前あるイタリア人がクリストバル見たさに不法侵入したことも影響して、この2年ほど前までは、一切公開していなかったということです。バラガンの自宅が世界遺産に登録されバラガン設計の建物の価値が世界的にもあがったことや、建物の維持の難しさもあり、次第に公開され始めたという話をガイドから聞きました。馬がいて始めてこの建物の意義、機能が満たされるのですが、出来る限りこの状態で存続し続けてほしいと思います。