陰影をかみしめて受け入れる

谷崎純一郎の名著「陰翳礼讃」は建築を携わる人は皆読む本ですが、現代においてなかなかその世界を味わう家も少なくなってきました。 現在の住宅は、暗いのではなくて明るくという考えですので、暗い住宅を求める人はほとんどいません。でも一度そんな場に自分の身を置いてみますと、そんな空間があればきっと流れる時間を忘れて、今という時を味わいつくせるのになーと思います。 そう、何だか慌ただし過ぎる今だからこそ、そんな落ち着いた場が必要なのかもしれません。 こちらは仏間。 障子の光も美しく、照明も暗め。一人でしばらくここでご先祖様とお話するにはベストでは。 こちらはちょっと文の主旨とは異なりますが、化粧室の窓です。 直接光ではなくて間接的な光が障子からとりこまれているので、窓は沢山ありますが、落ち着いた雰囲気になっています。