弘前市 旧藤田家別邸洋館 アーチ状の柔らかい天井や開口部を持つ人に優しい建物

この旧藤田家別邸にはいくつかの半円がモチーフとして使われています。 テラスに出るところの半円窓もその一つですが、玄関入りまして、吹抜けとなったホールの天井はアーチをしていますし、2階に上がる階段の天井も半円。また次の間に開けられた開口部の枠もアーチです。柔らかい円は優しさを空間にもらたします。家という寛ぎの場では緊張感は不要で、やはり気持ちが緩む曲面をどこかに入れ込むと良いと思います。 玄関入ったところの吹抜けホール。アーチの天井と開口部が美しい 2階の渡り廊下 階段の見上げ。柔らかい感じで良いです。 開口部の枠もしっかりアーチ。太い木の枠が空間を締めます。 半円の出窓とその天井 テラスに出る半円開口もそうですが、出部屋も良い感じ。大きな部屋にまた人が集まる小さなスペースを作ってます。テラスは心地よい団欒の場所。大きなリビングの小さなくぼみもまた、少人数で集まるのに適した場所です。 振り返りますと暖炉スペースがあります。 大きな部屋にドーンと暖炉があるのではなくて、ここでも暖炉の廻りを腰壁で囲みスペースを作った上で、造付けのソファーをしつらえています。 設計者は、人が集まりまた談笑するいくつかの気持ち良いスペースをあちらこちらに造りこんでいます。きっと居心地の良さを追求した結果、このような優しいデザインになったのでしょう。 人の目を楽しませるステンドグラス。設計者の人柄がわかるような気持ち良い建物でした。