アルヴァ・アアルトのアトリエ 光が注ぐ明るい製図室と間接光が照らす壁が美しい打合せ室

フィンランドの冬は長く、暗いのです。国の人達は、太陽にあこがれ、ひたすら長い冬を室内で耐え、太陽が輝く5月からの夏を精一杯楽しみます。ということで光はとても大切なんです。製図室にも大きな開口部が天井一杯に開けられ、明るい光が製図版に降り注ぎます。いわゆる固くて冷たい事務所ではなく、家にいるように暖かく、リラックスして物が考えられるようにしつらえたのがこの空間 天井面には照明器具や、換気扇など設備機器はなく、スキッとした白いプレーンな面が拡がります。照明は手元のスタンドの他に壁から天井を照らすスポット照明が所々に配置されています。夜は天井からの反射光もあり、柔らかい光の中で仕事に集中できそうです。 ヘルシンキでは、事務所においてほとんど窓を開けないそうですが、このサッシにはちゃんと換気窓も設置されています。 連窓の開口部の下の縦長の扉が換気窓 上部の大きな開口部には、枠の下に穴が開いていて、そこにレバーを差し込み大きな窓も内側に開くそうです。ただ、これはガラス掃除の為のものだそうで、通常は閉じているとのことでした。空気が乾燥しているので、ジメジメ感は全くなく、通気をとらなくてもすがすがしく暮らせるようです。この湿度は日本と完全に異なるところですね。 家具や取っ手の試作品、外壁で用いられた煉瓦ブロックが並びます。 ブロックは、外壁が局面をなすフィンランド共産党本部の文化の家で用いられたもの そして会議室 ここの壁は斜めになっていて上から間接光が入るという光壁 ここに図面やスケッチを貼って、施主にプレゼンテーションをしたということです。こんなプレゼされるとまいりますね。 横の壁には図面ケースが並べられていました。