アルヴァ・アアルト フィンランディアホール 白亜のヘルシンキの記念碑的ホール
ヘルシンキアルヴァ・アアルトが設計した建物と言えば、まず一番に挙がるのが、この建物でしょう。フィンランディアホールです。1962年から71年にかけてできた建築で、アルヴァ・アアルトが都市計画を行い、その中に自ら設計して建てたコンサートホール、会議場を持つ複合建築です。市民の憩いの場である大きな湖のトーロ湖の湖畔にフィンランディアホールはその姿を見せてくれます。水平方向に長い建築でできる限り高さを抑えながらも湖畔に映るその姿は、これぞ北欧建築という感じでした。
トーロ湖の湖畔にあるフィンランディアホール。青い空と水に対して真っ白な外観が映えます。
ダイナミックな形態。
水平の伸びる白い建物。大きく手前に張り出した部分はメインエントランスがあるフロアーのバルコニー
1階はピロティーで手前は車の入り口。
人は、2階のエントランスまで、いくつかの階段を用いて上がります。2階は大きなバルコニーが付いていて、トーロ湖周辺の景色を楽しめます。
フィンランディアホールの配置図です。図面の下の方がトーロ湖側
1,2階平面図
1階右下が車寄せのピロティー
2階がコンサートホールへのメインエントランス部分。図面の上の方は地形が1層分上がっているので、歩いてきた人はこの上の部分からホールへと入る動線です。歩行者と車の動線が完全に分かれています。
左部分の外壁が波打っているところは会議室棟です。当初はホールと会議室が兼用で計画されましたが、スペースの問題から急きょ会議室棟が新たに増築計画されて今の形になりました。
3,4階平面図
斜面を昇って歩行者側のエントランス方向に向かいます
白い大理石の外壁に映る木陰。夕方の空の色。実に美しい
正面側は大きな庇が人々を迎え入れます。
会議棟の大きなハイサイドライト
ただ、長年の風雨にさらされた白い大理石パネルは、伸縮によって変形しています。今フィンランディアホールではこの外壁を少しずつメンテしながら使っているという状況。規模が大きいだけに、外壁のトラブルはとても心配です。これからもヘルシンキの象徴的建物として市民に使われ続ける建物ですから。