トゥルクの礼拝堂 段差を付けた壁と白いパイプオルガン

今度は祭壇側から見返してみます。 入り口付近は石の壁、2階を支える手すり部分の壁は木、そして白いパイプオルガン。高いポツ窓からの光が、壁や椅子を照らします。 わずかな時間で光が移動していきます。 白い壁は、内部において少しずらしながら段差を設け、薄い影を作ります。 こうすることで、無意識の中で奥行感が生まれます。 それと、大きな壁を1枚とするより、このように段差を設け分節することで、スケール感を感じるのかもしれません。でも最初入ってきたときにはこの壁の段差は、ほとんど気が付きませんでした。 壁の段差がわかります。床の小さな穴は暖房の空調の為の開口 壁に薄く彫られたレリーフは、わずかな影で認識できます。主張しないさりげなく掘られた絵には、設計者の訪問者に対する、優しい心使いと、メッツセージが込められていると思います。 2階のパイプオルガン脇の大きな壁には縦スリット開口が放たれていて、パイプオルガンを裏から照らします。 これがその縦スリットの外観 外部の壁はまっすぐ。内部は、壁をふかして段差の壁としていることが解ります。 こちらは、反対側の外観 これが、横に大きく放たれた窓の部分。丸い柱から跳ね出しスラブで作られていることが解ります。