屋根庇が額縁を作る。竜安寺石庭のような前庭 二期倶楽部本館客室
二期倶楽部本館客室の大きな窓から見る景色は最高でした。
手前には景色を倒立景で見せてくれる清らかな水盤。その向こうに低い植栽。さらに奥には、自然との結界となる厚い壁。その壁の後ろは那須の大自然が拡がります。見ていて飽きない絵のような風景。これは、屋根の軒裏構造が見えて、その屋根がしっかり額縁を形成しているのも一つの絵の要因です。この垂木や原木を削り出した梁を部屋内からもしっかり見せるように、床のレベル、屋根勾配、屋根軒先の高さを相当考えた結果だと思います。建築家渡辺明の名を世間にひろめたこの二期倶楽部本館ですが、その陰には設計者の格闘があったと思われます。