ル・コルビジェとアイリーン追憶のヴィラを観に行きました

ル・コルビジェが建てた、ニース近くの地中海を望むアトリエ、カップマルタンの小屋。その隣にはレストランがあり、さらに少し離れて白いモダンな建築があります。それがE.1027という名前の建築。設計したのは女性デザイナーのアイリーン・グレー。もう10年以上前にカップマルタンの小屋を訪問した際には近寄れませんでしたが、今は綺麗に改修され、国のものとしてその価値が認められています。そのアイリーン・グレーの生涯を描いた映画が今公開されています。 この中では、コルビジェも準主役として登場。E1027ができたのは、丁度コルビジェのサヴォア邸ができた時代で、コルビジェが世界に対し、新しい建築様式を提案していた頃です。映画ではそのコルビジェのアイリーン・グレーのデザインに対する嫉妬が描かれ、人間臭さ、当時の男女の立ち位置が見てとれます。また、住宅は誰の為のものか。住み心地と設計概念の葛藤、家に求められる本質などが語られます。海を臨む地に白い豪華客船をイメージさせる家。この内外空間を感じられるだけでもこの映画の価値があるかもしれません。