重なりあう瓦屋根
瓦屋根は美しい。都内での新築では、なかなか見られなくなりましたが、やはり日本古来の自然素材だから、できれば使いたい。
隣地が迫り、屋根がどこからも見えない敷地条件ですと、無理ですが、道路からひきがあって、屋根が見えるようなデザインの
場合には、瓦屋根というのが街の景観に貢献します。瓦という素材は、湿気の多い日本の自然環境にもマッチした良い素材だと思います。
地震で瓦屋根が重く、倒壊の原因のひとつとも言われましたが、一昔前は瓦の下に土等を入れ固定。また瓦の固定も何枚かに
1枚の割合で、釘で止めていましたが、阪神大震災以降は、すべての瓦に小さな穴があいていて、全数を下地の桟に釘留めします。
もちろん瓦の下には重い土等は入れない構造になっているので。重量的にも耐震的にも問題ありません。
日本の自然に溶け込む瓦素材は、これからの素材でもあります。
さて、こちらは重なりあう瓦屋根。立面的にも瓦の部分がよく見えて、その重なるデザインが美しい。丸瓦。
軒の出もしっかりあり、陰影もあって、立面にメリハリが生まれます。
敷地段差を利用することで、重なる瓦屋根が生まれています。地面との取り合い部分も綺麗な納まりです。