彫刻家安田侃の世界 アルテピアッツア美唄(2) 水の流れる音がこころを癒す

アルテピアッツア美唄は、年数をかけて今の世界を創り上げていますが、そのアルテピアッツア美唄の顔ともいえるのがこの「天聖(てんせい)」、「天沐(てんもく)」 と「水の広場」、「水のステージ」です。1994年に10m×18mの大理石の白いステージと「天沐」が設けられ、1996年に流れる川と白い池が作られました。 白い川の下の方から見た「天沐」とその向こう側の丘にたつ「天聖」 2つの彫刻は、2体が対となる関係で配置されています。 白い大理石が敷き詰められた川の水の音が、静かに響き、心が洗われます。 ビアンコカラーラの白い大理石の水のステージに置かれた「天沐」 3本の柱真ん中の柱は、宙に浮いています。 大地から建つ柱は、上(空)へと意識が昇っていきますが、不思議なことに大地から浮いた柱は、逆に下(大地)へと意識が向けられます。 柱は、大地(地)と空(天)をつなぐものの象徴と思いますが、こうして真ん中が浮いている柱を挟むことで、より地と天との強いつながりのある関係性が意識されました。 天と地、言い換えれば現世と精神的な世界をつなぐモニュメント 流れる川も現世と精神的世界をつなぐ川なのかもしれません。 こちらは上から「天沐」と水のステージをみたところ 水のステージと木造校舎、そして白い池のある水の広場との見事な関係性 丘の上に建つ「天聖」 「天聖」から「天沐」と水のステージ、水の広場を眺めます。 大地と緑、大きな空をあらためて感じさせてくれる安田侃氏の彫刻。今という時を認識させてもらいました。 まさに自然と彫刻との関係性が見事に表現された空間です。 いつまでもとどまりたい心地よい場。 くりぬかれた開口は、その断面部分が磨かれていて、廻りは削ってあります。 削りだした表面に光があたり、見る方向で様々な表情を見せてくれます。