遠藤新 藤沢市旧近藤邸 暖炉を備えた開放的で和モダンのリビング空間
それでは、旧近藤邸の中へと進んでいきます。
玄関の扉は、ガラスと板の市松模様のようにデザインされた大きな両開きの玄関扉。
入りますと、片側に座ったり、荷物を置くことができるベンチ風の棚があります。
正面は、庭へと抜ける、これも大きな開口部。
そして玄関の右にリビングが拡がります。
リビングとこの玄関は、視線までの高さの壁で仕切られていて
天井付近がリビングとつながっているので、広く、開放的に感じます。
こちらが玄関側から見たリビング。
近藤氏の家族は11人。その家族が集まるリビングは、やはりそれなりの大きさが必要です。
手前左側は庭に面して横に長い開口部が続き、その窓下にベンチソファーが置かれます。
ソファーに座って正面にはリビングの中心となる暖炉
暖炉の両脇にも小さな開口部と飾り棚が設けられます。
ベンチソファーの外は、パーゴラが見える庭
真ん中の開口部は、一見、開き窓のように見えますが、実は引違いの窓。
窓枠をこのようにデザインすることで、いわゆるどこにでもある引違の開口部には見えません。枠の太さも重要。
真ん中は、引違の窓。その両側は、開きの窓。そして更に引違の窓が並ぶという構成。
こちらは、奥からリビング、玄関方向を見返したもの。
大きな窓の高さと小さな窓や扉の高さは違いますが、横方向の長押を上手く通すことで、違和感が生じません。
また、通しの長押の位置が低い(日本家屋のモジュール)なので、重心が低く抑えられて、安定感が得られます。
天井に照明が無いのも良いですよね。壁からのブラケット照明とスタンドによる光源が低い位置での照明配置。これがやっぱり落ち着きます。
リビング突き当りにもモダンデザインされた開口部があり、その向こうは、和室になります。
開口部デザインは、和風の長押を廻し、柱と長押の間の開口部もその水平材と同化するようなデザインです。