富岡市庁舎 広場を中心に、街に流れを生む市庁舎
世界遺産の「富岡製紙工場」のある富岡市。その市庁舎が「世界遺産にふさわしい日本一のまちづくり」を実現すべく新しく完成しました。
設計は隈研吾建築都市設計事務所。
大きい広場に対してL字に会議棟と行政棟が配置されています。その2つの棟の間は通り抜けの道となっていてそこが駐車場。
いわゆる全国の役所に見られるような建物の前面が駐車場という配置ではなく、市民に開かれた緑の広場にしたところが良いですね。
深い庇を持つ勾配屋根の外観。日射を考慮した木の縦ルーバー。大きなガラス開口。廻りの建物との調和も図られています。
こちらは、前面広場からみたもの。左が議会棟。正面が行政棟。柱と壁がRC造で屋根はS造です。
行政棟のエントランスホール
3階までの福抜け空間。風と光が気持ちよく抜けていくデザイン。室内も明るいですね。
天井に貼られた板も隈さんらしいデザイン。
1階から2階までの階段を登ると、その上の階へは、スロープのように緩い階段が吹抜けを中心にしてとりまいていきます。
一度正面に戻って広場に向き、さらに3階へと上る階段。訪問したのは、土曜日だったので残念ながら登れませんでした。
こちらが、正面広場方向を見たもの。
内装で目をひくのが、壁の仕上げ。
「きびそ」と言われる蚕が繭を作るときに最初に出す糸のことで、繊維が粗く硬いので製糸には使えず、捨てる部分だそうです。
その「きびそ」を用いて、クロスとして新たに商品化したものだそうで、このあたりも地元に眠る素材を発見し、それを有効に使う
隈さんの真骨頂が生かされています。