つくばセンタービル 衰えぬ迫力ある建築
つくばセンタービルは1983年の完成。
すでに35年以上経った建築ですが、さすがに磯崎さんが悩んだ末に導き出した建築だけのことはあり、
まったく時代を感じさせません。
日本の国が主導で都市計画を行い、つくばという土地の記憶を抹殺した場所に突如とし計画しなけらえばならない難解なプロジェクトであったわけです。
その計画においては、磯崎さんは近代的な都市計画において拾い上げられない要素
呪縛性、迷路性、劇場性、複合性、両義性、象徴性、界隈性を捉えて設計したそうです。
廻りに何もないところに出現する建築にそれら要素を散りばめた建築とでも言えるのかと思います。
日本らしさを手掛かりとした建築ではなく、西洋の建築様式を組み合わせながら築いた建物。
今訪れても、その設計は正解だったと感じます。
広場は、イタリアのカンピ°リオ広場を逆転したもの。イタリアの広場は丘の上にあり、建物で囲まれた名に
真ん中が浮き上がるような勾配で造られ、その頂点にはマルクス・アウレリウスの象が鎮座します。
つくばの場合は反転して、真ん中が低くなり、そこに噴水が造られ、飲み込まれていくようなイメージ。
中心が空洞であることを表現した広場です。