横浜BankART Temporary M meets M(村野藤吾展・槇文彦展)旧第一銀行横浜支店
横浜桜木町、馬車道に完成した横浜新市庁舎。
旧市庁舎は村野藤吾設計、新市庁舎は槇文彦設計。
ということで、偉大な建築家の2人の展覧会が、今横浜のBankART TemporaryとBankuART KAIKOで行われています。
まずは、BankART Temporaryの建物へ。
これは、歴史的建造物である、旧第一銀行を利用したアートスペースになっています。
この旧第一銀行横浜支店は、1929年(昭和4年)清水組の西村好時による設計で、敷地の関係からコーナーに円形のバルコニーを持つのが特徴で
戦前の古典主義建築の様式になっています。
大きな太い4本の柱がなんとも象徴的で力強く、心を揺さぶります。
やっぱり台地から延びる「柱」という存在感は、人のDNAに何かを呼び掛けていると思います。
実は、この建物の先端部分(バルコニー部分)は以前100ぐらい離れた場所に建っていたものを、曳家という工法で今の場所に移動させたもの。
さらに、建物の後ろの部分は見事な復元工事でよみがえったものだそうです。一見してわからない見事な修復技術。
敷地に余裕があるので、このように建設当時の姿で蘇ったのですね。普通は、経済的理由から建物のファサードだけを残してそこに覆いかぶさるように
新しいビルが乗っかってくる事例が多い中で、この保存方法はやはり、建物のプロポーション、立面を考える上でも貴重です。