浦辺鎮太郎の世界(6)モダン建築からポストモダン建築へ
さて、浦辺さんのブログも今日が一応最後。
展示館をじっくり見せてもらい、初めて建築家浦辺鎮太郎の歴史、作品を知った部分も多く、非常に刺激になりました。
1人の建築家が何を思い、どういう思考から建築を生み出していったかは、完成した建物を見るだけではなかなか解らない部分も多いのですが、
こうして歴史を紐解けば、その時代の考え方や、設計手法も理解でき、また違った目線で建物を体感できます。
そういった意味からも今回行われた「浦辺鎮太郎の仕事」展は有意義でした。
1970年竣工の千里阪急ホテル
湾曲した外観が美しい。また両妻面デザインもきれいです。
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右の突き出た部分は2期の宴会場部分
敷地をなめるような平面
こちらは、黒住教新霊地神道山大教殿
その説明
伊勢神宮や民家に由来する屋根の建築。
僕が面白いと思うのは、屋根からの光の採り入れ方。
美しい構造架構と、ハイサイドライトからの光が教殿内を照らす感じが好きです。
今では、集成材による大断面の木造架構が主流ですが、こちらは無垢材。
力強い。
そしてもう一つが、足回り。
コンクリートのはね出しと浮遊する廊下、その上に架かる重厚な屋根。手すりも良いですね。
ダイナミックです。
続いて数ある模型の中で、その複雑さにおいて魅力的だったのが、この倉敷中央病院
設計者や関係者の苦労と執念が語り掛ける建築です。
赤い屋根と白い壁。当初は蔦を這わせる予定だったそうです。
真ん中のガラスで覆われたパティオが患者に潤いを与える
赤い勾配の付いた瓦屋根は、街並みを考慮したもの
このほか浦辺さんと言えば、当初からの夢を実現したポストモダンの浦和市庁舎があり、横浜の大佛次郎記念館などがありますが、
これらは実物を見てからまたブログに載せたいと思います。