嬉野温泉大正屋(7)本館客室 掘りごたつのような縁側的スペースのある客室

嬉野温泉大正屋の本館客室。 一番最初にできた建物の上部にある客室です。 大きな縁側が取れるスケールが無く、しかも他とは違う落ち着いた場を作るための工夫がなされています。 玄関部分。やはり一段上がって靴を脱いで寛ぐというスタイル。 大正屋 さらに奥に行きますと、和室があり、正面に大きな開口部 大正屋 そこからは市街地や遠くの山々が良く見えます。 そして特徴的なのが、掘りごたつのように床が掘られた縁側のようなスペース 一つの空間にレベル差のある場を作ることで、2つのスペースを楽しめる工夫。 この場合、開口部の高さは、非常に悩むところです。 落下用の手すりは床から1100mm以上という法的な縛りがあり、手すりと景観と落ちつく高さの三つ巴の選択。 下の写真は、上の客間と対になっている廊下を挟んで反対側の客室 大正屋 床を下げているところから、1100mmを確保。外の床にはスチールのグレーチングを敷いています。 こうして、室内から見たときに手摺の横ラインが景色を邪魔しないようにしているんですね。 大正屋 しかも手摺の納まりはご覧のように、コンクリートのフレームを壁から出して、そこに横ラインの手すりを設けたデザインとしています。 大正屋 掘りこんだ部分は、丁度こもれる感覚の落ち着いた場を創り出しています。 勿論、このお部屋にも床の間を完備 大正屋 いやいや、色々勉強になる建物でした。