山口宇部市 渡邊翁記念会館(3) ワクワクする階段アプローチ
2階のホワイエへと上がる階段です。
階段の両側には、天井までのガラスブロックが用いられており、柔らかい光が注がれます。
戦前でこの新しいデザインですから恐れ入ります。
今のガラスブロックは、改修されたもので、オリジナルはこちら。
新しい技術への挑戦だったんですね。
天井からは、トップライトからの光が入ります。階段も外壁に合わせて緩やかなカーブを描きます。
ひょうたんのような面白い形。中には白い丸いガラスがはめ込まれています。
宇宙を表しているのかな。
屋上から見た、このトップライト
なかなか防水が難しい納まりです。
2階の階段室廻り、両側から上がってくる対称形の階段。
光の採り入れ方が見事です。人の心に響くのは、やはり光ですよね。
2階は、横長のサッシが入っていて、外を見渡せます。
イメージは豪華客船
村野さんは、客船の内装も手掛けていますから、この建物自体を豪華客船のように捉えてデザインしたのかもしれません。
床は、黒と白の市松模様。モダンデザイン。
2階の柱は、赤い花崗岩
階段手摺と柱との兼ね合いのデザイン。
足元の巾木は、緩いカーブが付いていて、掃除がしやすくなっています。考え抜かれたディテール
ホワイエに置かれているソファーは、木製です。固いだろうと思って腰掛けてみると、見た目とは異次元の座り心地のよさに驚かされます。
微妙な角度が、本当に見事で、いつまでも座っていたくなる木のソファーでした。
ホワイエ
こちらにもトップライトがあったのですが、漏水がひどく、改修時に塞がれてしまいました。
ちともったいない。ですから今より、もっと明るかったのですね。
赤い列柱が並ぶホワイエは圧巻。
右がホールですが、そこへは、斜めの梁がかかり、人を導くようなデザインになっています。
ホール入口部分の天井
ここは、波打つ天井デザインです。美しい左官仕上げ