弘前レンガ倉庫美術館(1)明治・大正期の酒造工場が現代美術館として再生
弘前レンガ倉庫美術館を訪問
広い芝の広場の向こうに弘前レンガ倉庫美術館が姿を現します。
大きく2つの棟からなり、右がミュージアム棟で、左がカフェ・レストラン棟
右は、全面を耐震改修して、むかしからの倉庫を再利用。左は、耐震上の問題から東面のレンガ壁のみ残し、新築
写真正面は西面です。
側面
屋根は特徴あるゴールド色のチタン屋根
この煉瓦の建物は明治大正期に吉野家煉瓦倉庫として建設されました。
その歴史の変遷です。
①
当時の建設風景
その②
その③
その④
その⑤建築コンセプト
チタン屋根のコンセプト模型
窓から見えるチタン屋根
煉瓦は、新しいものと古いものとが違和感なく貼られています。
美しい煉瓦壁
新しい煉瓦は既存煉瓦に寸法や色の成分を合わせて焼いたもので、見事に調和
ミュージアム棟妻面の上部三角の壁は新しい煉瓦
ミュージアム棟とレストラン棟の間の通路空間も気持ち良い
ミュージアム棟はL字平面
そのL字の中からの立面です。
改修設計は田根剛氏
コンセプトは「記憶の継承」と「風景の再生」
耐震改修だと、免振や煉瓦壁の内側に鉄骨補強フレームなどを行うのが一般的ですがここでは煉瓦歴面を損なわないように
既存煉瓦壁を補強して構造材として残すようにPC鋼棒緊張補強という工法が取られています。
煉瓦壁の真ん中に穴をあけて、その中にPC鋼棒を入れ、上部にコンクリートの梁を打設し、この鋼棒に圧縮力を加えるというもの。
こうして見事な補強煉瓦壁の建築がよみがえったわけです。
煉瓦と芝生の緑のコントラストが美しい
屋根には樋がなく、そのまま落ちてきますが、下には煉瓦の破片を敷き詰めた、雨受けの溝があり、問題無し。
雪の対策として屋根には雪止めがついています。