豊田市博物館 みんなでつくりつづける博物館 市民に開放される木造のえんにち空間
愛知県豊田にできた豊田市博物館です。
新しい博物館のあり方として館長は、フォーラムとしての博物館を目指しました。
フォーラムとは、議論と交流の場という意味で、市民や多くの人達が活動していく場としての博物館です。
プロポーザルコンペで選ばれたのは坂茂氏。
坂さんは、企画展示室、常設展示室、災害時に防災拠点となるセミナールームの中心に木造により大きなえんにち空間という場を設けました。
まずは、駐車場からエントランスに向かいます。通路が放射状に延びて象徴的な樹木がある芝生庭を突き進んでいきます。
上レベルから見た芝生庭。ここは、遊び場としてだけではなく、コンサートや屋外活動の場として使われます。
木の柱で支えられた木のエントランス部分の屋根。高さは10m。トップライトは、木による豊田市の市章パターン。
柱の柱脚。柱は柱頭に向かって細くなっていて、軽快でシャープなイメージを感じます。
柱の根本は直径820mmあります。
中に入ると、ドーンとフラットな木造天井が気持ち良く伸びていくホールになります。
敷地高低差を利用したレベル差のある空間を一つの屋根が覆います。
左の展示室はコンクリート造の為、水平力はコンクリートに負わせることで、木造側には耐力壁を設けず、外開口が気持ち良く繋がっていきます。
天井の木梁は、市の市章を基にした構造デザイン。左手に受付。その手前に常設展示場の入口があります。
常設展示場は、豊田市の歴史が展示。そして身障者も上れるスロープが囲みます。
スロープが廻る常設展示場の真ん中にはガラス棚の集合展示。色々なものが棚に展示されていて、見学者は好きなものを鑑賞します。
さらにこの大きな棚は、構造的にコアを形成。
ここでもこの四角い棚空間が耐力壁の役目を担う事で、スロープの外部側には壁の無いガラススクリーンが繋がる構造となっています。
勿論、トヨタ車も展示
スロープを上がっていきます。
身障者車いす対応ですからある程度上ったら、水平面の踊り場をもうけないといけませんが、そこは手摺を水平に曲げることなくデザインされているので、
水平面に気が付かないデザインになっています。実に上手い設計。
高台にあるので、開口部からは街が見下ろせます。
スロープの途中から展示を見下ろすのも楽しい
スロープを上がりきると、再び木の空間へ。
そして2階のレベルへとたどり着きます。
1階フロアーを見下ろしたところ
市民がいろいろなパフォーマンスを行えるえんにち空間
2階の出口は美術館のレベルに繋がっていて、そのままフラットで美術館を訪れることができます。