甲子園ホテル(現武庫川女子大学甲子園会館)エントランスから玄関ホール、レセプションホールへ至るシークエンス
東の帝国ホテル 西の甲子園ホテルと言われた現武庫川女子大学甲子園会館を見学しました。
武庫川の畔に建つ2つの塔は、JR東海道線からも見えます。
竣工は、1930年。帝国ホテルの総支配人であった林愛作が、帝国ホテル設計者フランクロイドライトの愛弟子遠藤新を設計者に選定して建てたホテルです。
林愛作は、帝国ホテル新館をライトに依頼した人物。帝国ホテル建設中の度重なる予算オーバーにも関わらずライトをかばいましたが、帝国ホテル旧館の火事に伴い支配人を下ります。
その後関西の財界人から関西随一のホテル建設を依頼され、作ったのがこの甲子園ホテルです。
エントランスの部分。建物は左右対称の力図良い構図。
大きな庇と回転ドアがゲストを迎えます。回転ドアは当初の設計からのもの。ホテルのドアとしては初めて採用されたものです。
回転ドアを入るとまずは玄関に。
その先からは庭からの光が入ります。
更に扉をあけて、進むと数段の階段があるホールに
ホールの向こうは数段床が上がっているレセプションホールです。
真っすぐに進むことはできず、レセプションホールは、左右の廊下を少し歩いてから階段を上がり
廻りこむという平面になっています。
玄関ホール見返し
玄関ホールから左右に分かれる廊下を見る
玄関ホールの柱の装飾と照明
廊下を進んで廻りこみます
廊下から数段階段を登り、レセプションホールの横面からアプローチ
中央のレセプションホール
レセプションホールから西側ホール方向を見る
レセプションホールから玄関ホール部分を見返す
レセプションホールは大きな吹抜け空間です。
このレセプションホールの真下は、広い厨房です。
窓の外はテラスを介して屋外庭園が拡がります。
玄関からレセプションホールに向かう動線で、なぜレセプションホールに直接アプローチさせなかったのかは、かなり気になる所です。
フランクロイドライトの東京帝国ホテルでは、玄関の扉を開けて低い天井の部分を越えた向こうに吹抜けのホールがあり、そのシークエンスがゲストに感動を与えます。
甲子園ホテルは、アプローチの手前にフェンスがあって廻りこみます。レセプションホールは、窓の外に庭園が拡がっているので、自然との繋がりがもっと感じられたはず。
この動線が最後まで気になりました。