甲子園ホテル(現武庫川女子大学甲子園会館)(2) レセプションホールから西ホール(宴会場)に至るシークエンス
建物中央のレセプションホール
そこから西ホールへと向かいます。
おそらくホテルの営業されていた当時は、まずこのレセプションルームでゲストは寛ぎ、そのあと宴会場へと導かれたということです。
西ホールへと向かう途中に水盤のあるホールを通ります。階段を数段おります。
このホールには泉水が配置されています。水によって心を清めるというか、宴会場に行くまでの序曲といったところでしょうか。
左の部屋は応接室。右の赤い絨毯は、左右に貫く廊下。
その上部の小さい開口部からは冬至の日に光がこの泉水に落ちるように考えられています。
この泉水のあるホールから更に階段で下って西ホール(宴会場)へ
正面の壁に掲げられているのは、このホテルのモチーフの打ち出の小槌
さらに進みます。
左を振り返るとホール側廊部分が見えます。
格子の光天井が続いていきます。
この下の手前左側は、厨房へと通じる廊下になります。
そして西ホールへ。
2階はオーケストラが演奏する高台
側廊部分との境のデザイン。右側が厨房への動線
天井の光格子天井が日本的で美しい
当時は舞踏会も行われていました。
庭側には、より天井が高くなっている部分があり、そこにはかなり手の込んだ装飾が施されています。
カブトガニのような紋章の連続した装飾
天井見上げ
勾配天井の仕上げは、昔は金箔だったそうです。
ここだけが光り輝く別世界を表していたのでしょう。
当時の写真。なるほど結婚式のメインスペースだったわけですね。
光天井の格子ごとにデザインを変えていることがわかります。
大きな笠の向こうにホールを望む
完成後、遠藤新は師匠のフランクロイドライトに図面と手紙を送りました。ライトからの返事では、建物の出来を褒めたと同時に椅子のデザインや、装飾過多の指摘があったそうです。
ライトの帝国ホテルも装飾の塊なんですが、このホールのこの部分は、建物全体からしてここだけが異質といいますか、やりすぎな感じは確かにします。
暖房が入る側廊部分
窓回り