淡路島 真言宗本福寺水御堂 蓮池に入って拝む御堂 安藤忠雄氏の秀作
建築家安藤忠雄氏の設計する建物には本当に感動を呼び起こすものが多いのですが、
この淡路島にある真言宗本福寺水御堂もその秀作の中のひとつ。
もう25年ぐらい前に一度訪問しましたが、今回は2回目
まずは、御御堂までの動線が素晴らしい。駐車場は、海が見える高台
そこから本福寺の本殿の脇を通り、両側に草木の生える道を歩きます。
前方には開けた空間があり、白い砂利のなかにコンクリートの壁が見えます。
そして長い壁に放たれた四角い開口から中に。
さらにもう一枚曲面の壁があって、右へと折れ曲がります。
鳥居をくぐる感じで、もう別の世界に入っていきます。
曲面の壁に沿って歩くと、視界がドーンと開けて楕円形の蓮の池が現れます。
それにしても信じられないぐらいコンクリートが綺麗で、相当メンテナンスされているのだろうと察しがつきます。
緑に囲まれた蓮の池の真ん中には地下に下りる階段が真っすぐ伸びます。
池の下に御御堂があるわけですから、しっかりしたコンクリートと防水がなされないと成立しませんよね。
防水の端の部分は、どうしても見えてしまう納まりが多い中、防水した後にもう一度コンクリートを打つことでこの楕円形の池の額縁を作り出しています。
さりげなく見える考え尽くされたディテール。
こんなところに御御堂があるのかと思わせる階段。階段を下りて左が御御堂の空間となります。
御御堂の回廊から階段部分を見返す
円形の回廊の壁の中が御御堂です。写真は撮れないので回廊だけとなりますが、御御堂は、スクエアの柱が並ぶ
厳格な空間。
兵庫の浄土寺浄土堂からヒントを得た赤い空間に西日が差し込むというドラマチックな演出です。
赤い丸い壁にそって歩きます
その先に西日を取り込む開口部
赤い格子が入ります。丁度仏様の真後ろのところです。
天井の打放しのスラブ
じつに難しい仕事
さらに廻って入口に戻ります。
楕円形の池の右半分にこの円形の御御堂が収められ、階段下りて右側は、和室の控室2部屋で構成されています。
大きな屋根が常識だった御御堂を池の下に入れて、しかも素晴らしい世界を創り上げています。
今でも訪問者が絶えない、名建築。