雁行の住宅 高良邸 高橋昭雄設計 田中文夫施工
雁行した建築と言って、頭に浮かぶのは桂離宮ですが、一般の住宅で雁行した家というのは
かなり大きなスケールの家だと思っていました。
いやいや、世の中凄い建物を作る人はいるものです。
この高良邸は、ぎゅっと雁行の良い所を圧縮した家です。
雁行の良いところは、コーナーの扱い方。建物のコーナーは2面に面しているので
そこに開口を設けると外との連続性がより生まれますよね。
この高良邸は徹底したコーナーデザインがなされています。
平面図
羽根を両側に広げたような形で、コーナーが全て開口部になっています。
中心にはリビングがあり、ダイニングレベルから下がることで、どこからも庭の景色が楽しめます。
リビングの床は庭とほぼフラット。この地面に近いところが心を落ち着かせます。
2階は2つの子供室ですが、こちらもコーナーに開口部を持たせた鋭い平面プランになっています。
屋根もバタフライのように特徴的
2方向が伸びていき、このシャープなデザインとなっています。庇が出てくるので下のバルコニーも屋根で覆われます。
和室方向から見る
設計した高橋昭雄は、東大の岸田日出刀の弟子。残念ながら早くに亡くなりましたが、多くの秀作の住宅を設計しています。
築は1970年
大工は、現代の名工の田中文夫
素晴らしい建築でした。






