東京科学大学(旧東工大)篠原一男と篠原研究室の1960年代展へ
東京科学大学(旧東工大)で開催させていた篠原一男展に行く。
ここでは、1960年代の篠原さんが東工大の助手から助教授時代の民家の要素を取り込んだ木造住宅や
民家の実測調査の展示がなされていました。
土地の生活に根ざした作為のない民家の美しさを「民家はきのこである」と讃え、民家の空間的な原理を
平面の分割と土間に見出し、から傘の家など秀作住宅を生み出しました。
「民家はきのこである」ということは民家は建築でないこと、建築であることより自然現象であるという事を表しています。
条件がそろえば、どこの地面にもきのこが野生するように豊かな風土には見事な民家の集落があると篠原さんは述べています。
そして民家の土間はその本質的なものを表現していると考え、単純な架構を表した薄暗く高い広がりに縄文時代の竪穴の暗い空間
が息づくとしました。
から傘の家にも土間的広間があり、方形の屋根は単純な隅垂木で構成されていて、その内部は安定した空気に満たされています。
この1960年代は、篠原さんの第1の様式の時期にあたります。
さらに立方体(キューブ)と亀裂という非日本的な表現をもとめていく第2の様式
そしてさらなる様式へと変わっていくわけですが、そのあたりは今ギャラリー間で開催中の篠原一男展を見てまた学ばせて頂きます。
さて、今回展示されていたのは、谷口吉郎設計の創立70周年記念講堂
RC打放の壁、ガラスカーテンウォール、そして煉瓦の素材と、水平に伸びるキューブの上のアーチの屋根
美しいモダニズム建築
エントランスホール
さらには篠原さん設計の百年記念館でも展示がありました。
百年記念館について
篠原さんのスケッチ
今回は、大雨の中の訪問でしたので、次回は晴れた日にもう一度訪れたいと思います。








