インポッシブルアーキテクチャー 展 埼玉県立近代美術館
埼玉県立近代美術館で開催中のインポッシブルアーキテクチャー展に行ってきました。
埼玉県立近代美術館は黒川記章氏の設計。
中間領域という内部と外部が入り混じったあいまいな空間を提唱していた黒川さんの建築ですが、
そのあたりは、エントランス前のスペースや、内から外を見たときのフレームワークに見て取れます。
さて、展覧会ですが、アンビルトとして、実際には建設されなかった建物やプロジェクトを集めたもので、
その時代の背景を捉えた展示内容で実に面白かった。
建築家の未来を見据えた数々の提案には、今の時代を超えていくパワーを感じることができます。
ロシア構成主事のウラジミール・タトリンの第三インターナショナル記念塔からスタートし、最後はザハ・ハディドの新国立競技場に到るまで
建築家のすさまじいパワーを入れ込んだ作品が並びます。
印象に残ったのは、京都国際会館コンペの菊竹さんの案と模型。コンペでは同じ高い評価を得ながらも、落選した案。
そして新国立劇場の図面。すでに詳細図、確認申請図等かなりのボリュームの設計図が完成していてそれらの製本がずらりと並べられています。
いろいろな事情で建設されなかった案の数々ですが、そこには時代を超える斬新な案を提案し続ける建築家魂を見ることができます。