1350年持統天皇から続く天皇の儀式大嘗祭 その大嘗祭が執り行われた大嘗宮を見学しました。
大嘗祭は、天皇が即位後初めて大嘗宮において新穀を皇祖および天神地祇にお供えになり、自らもお召し上がり、
皇祖および天地地祇に対して安寧と五穀豊穣などを感謝されると共に、国家国民の為に安寧と五穀豊穣などを祈念される行事です。
その舞台となった大嘗宮。場所は皇居
参拝客で一杯です。
遠くから見える大嘗宮は、見事です。
左右対称の配置
南を正面にして右に悠紀殿(ゆきでん)、左に主基殿(すきでん)という大嘗宮の儀が行われる宮が妻入りの配置で並びます。(妻面を向いているのが2つの宮)
そして正面
鳥居を正面に、左が主基殿、右が悠紀殿。正面鳥居の奥に見えるのは殿外小忌幄舎(でんがいおみあくしゃ)という女性皇族が控える建物。
鳥居の手前の小さな屋根の載る建物は、護衛の人が入る衛門関と庭燻舎
鳥居の横に左右に伸びる切妻屋根の建物は雨儀御廊下(うぎおろうか)
よく見ますと、悠紀殿と主基殿の千木の先端の切断形状が違っていて、左主基殿は外削ぎ(縦に切断)、右悠紀殿は内削ぎ(横に切断)
黒木造と呼ばれる建築様式
一度正面から近寄って右に迂回して建物に近寄ります。
膳屋(かしわや)。外壁に葉が付いたスダジイの小枝が結ばれています。
椎の和恵(しいのわえ)と言います。
ここには神への供え物を調理するための建物。
悠紀殿の入口は、正面ではなくて左に偏芯して設けられています。妻入り
手前右の建物は小忌幄舎(おみあくしゃ)祭祀の際に男性皇族が控える建物。
左は雨儀御廊下(うぎおろうか)と呼ばれる儀式で天皇が行き来する廊下
正面南神門である中央鳥居。ぐるりと囲む低い塀は柴垣。
鳥居は丸太の鳥居で、黒木造。
美しい
横に回って西の面。西神門の鳥居が立ちます。
鳥居の手前右側は膳屋
主基殿の桁方向。屋根に3か所鰹木が載ります。
主基殿手前の切妻屋根は楽舎(がくしゃ)と呼ばれる奏楽を行う楽師がいる建物。
垣根は2重で内側は柴垣(しばがき)で、その外には外周垣(がいしゅうがき)と呼ばれるよしず垣
美しいよしずの外壁を持つ斎庫(さいこ)と呼ばれる新米を収納した建物
さらに進むと、一番北側に配する廻立殿(かいりゅうでん)が見えてきます。
垣根は、外周垣。
正面の大きな建物が廻立殿。黒木造。
廻立殿の妻面立面。ここ廻立殿では天皇が祭祀に先立ち、身を清める沐浴を行う場所
主基殿の妻面立面とその右が斎庫
主基殿立面
屋根は、以前は茅葺でしたが、コストを踏まえ今回は板ぶき屋根です。
伊勢神宮の神明造りのように屋根の妻面には尖った千木
さらに棟の上には横方向に鰹木が並びます。
廻立殿の立面
階段は松の丸太
自然素材の美しさに感動です。
廻立殿を手前に主基殿をみたもの。