奈良 国宝室生寺五重塔 日本最小の五重塔
室生寺本堂の脇から、更に階段を登ります。
この荒々しい石の階段の先に、美しい五重塔が見えます。
この階段と建物の見事なプロポーション。絵になります。
この絵柄を現実化するために五重塔の大きさも決めたのではないかと思うのですが、実はこの五重塔は小さいのです。
階段下から見ると、スケール感が違って見えるのが面白い。
塔の屋根の軒の出を上に行くほど若干小さくしたり、欄干幅も同じく狭めたりしながら遠近法を使い、下から見上げた時に
実物よりも大きく見えるように工夫がされています。お見事。
階段を登りきると、その五重塔の小ささに気がつきます。
手前の人のスケールと比べると、大きさがなんとなくわかりませんか。
日本一小さな五重塔。そして法隆寺に次いで2番目に古い五重塔。
山岳建築の五重塔としては、一番古い。
この山の深い場所に、よくぞ建てたものです。
屋根は瓦ではなくて、檜皮葺き。奥に見えるのは、本堂の屋根。
昔は、板葺きだったそうです。
廻りの自然に溶け込む建築です。