元気のない地方の街を活性化させる老人施設の提案
この2年ほど、青森県むつ市の養護老人ホームの設計に携わっています。
今の日本の地方都市の同じような悩みとして、若者世代の流失による人口減。進む高齢化社会にどう取り組むのか?
錆びれていくかつての商店街に活気を取り戻せるのか?等々問題山積みです。
むつ市も同じような悩みがありますが、市の計画として分散している市営住宅をかつての街の中心地に集めてきたり、
人の流れを造り出す様々な装置を導入したりと、動いています。
今回の老人ホームも郊外にある施設を街の中央に移設する計画です。
ただ移設するだけではなく、今回の計画ではそこに人を呼び込むしつらえを併設し、
老人ホーム+集会所+市民クラブ+温泉浴場とする複合施設にすることで、人口の半分を占める元気なご老人を集め、
老人による活気ある街つづりの貢献しようという計画です。
建物は、50人が住まう養護老人ホームとデイサービス・集会場・銭湯がある円形集会棟からなります。
街に面する建物外観
外には、バスの待合室を併設した図書・喫茶スペースが街ににぎわいをもたらします。
スロープが建物の外周を廻り、夏まつりを屋上からも鑑賞できます。
円形ホールは、日中はデイサービスとして利用でき、使っていない時は、街の集会として市民に自由に開放されます。
円形ホールにはトップライトから光が注がれ、寒く暗い冬の時期も市民の集まれる暖かく明るい場所を提供します。
2階へと繋がるスロープや、2階から屋上へと繋がるスロープは車いすは勿論、老人の運動スペースとして活用されます。
2階は、老人が運動する開放的なスペース
そして市内のいろいろなクラブが活用できるように考えました。
老人の楽しみのひとつにカラオケがあります。その施設も完備。
こうして、この施設に行くと、誰かが居て、寂しい思いはしない。
人が集まることで、元気が出る。
そんな施設の計画です。