雲仙観光ホテル(3) ホテルを象徴する中央階段 職人の手仕事が残るディテール
雲仙観光ホテルのロービーに立つと、一番に目に入るのが中央階段です。
巾の広い階段ですが、踊り場でさらに両側に折り返していくので、この階段が取る面積は相当なもの。
踊り場の窓からの光がホールへと注ぎ込まれます。
それだけに、この階段に込められた意匠には力が入っています。
2階の踊り場に注がれる光
雲仙観光ホテルは何度も改修を行っていますが、そのたびに原型に戻すようにしていて、
エレベーターも付いていません。3階まではこの階段を利用することになります。
まずは床の絨毯の柄がなかなか見られないモダンであり、アーツ&クラフト時代を彷彿させます。
立体的に上下に空気が流れる階段室
柱には、大工さんの手しごとによるチョウナが掛けられていて、柔らかい光の反射が良いですね。
手摺は丸太
階段を支えるササラの部分も丸太がリズミカルに飛び出してきていて陰影を作り出しています。
手摺子も細い丸太
2階の吹抜け部分にさりげなく置かれた椅子とクラッシックデザインのシャンデリア
階段の側面の壁側は、腰までが木貼り。
職人の手仕事が残ります。
2階からの見下ろし
同上
そして廊下へと続きます。
重厚感漂う階段部分に対して廊下は柔らかいデザイン
階段を中心にして左右に廊下が伸びていきますが、その廊下のデザインも変えてあります。