甲子園ホテル(現武庫川女子大学甲子園会館)(4)素焼きタイル、日華石、緑彩瓦が織りなす外観
何といいましても甲子園ホテルの魅力は、その外観にあるのではないでしょうか。
2つの象徴的な塔と、シンメトリーな配置。外壁に用いられたタイルや石の装飾、緑の瓦
何よりもフランクロイドライトを師匠とした遠藤新のきめ細かい設計が随所に光ります。
正面
今回西面は改修工事中でしたが、同じ面で囲まれたこのアプローチの広場に入ると空気が変わります。
正面東側 大きくはね出した庇にも開口部が空いていて光を落とすディテール、庇先端の繰り返させる雲形紋様も効いています。
ボーダータイルと装飾的なタイルの組合せが見事。屋根や庇の横ラインと塔の縦ラインで調和がとれた安定感があります。
東面立面 緑の瓦屋根の上には打ち出の小槌の装飾
内部に入り、中央のレセプションルームから外に出ると大きなテラスがあります。東ホールを見る。
緑の瓦屋根
屋根の棟に載るのは、打ち出の小槌の飾り物
緑彩瓦と言います。京都の泰山製陶所が彩薬を施して織部色としたもの。打ち出の小槌も同じ泰山製作所の製作
テラス見上げ
独特の凹凸のある外観
見事な石とタイルのデザイン
石は日華石。石川県小松市産 タイルは、大坂窯業が焼いた素焼きタイル
タイル
テラスの列柱
見事な造形力
東ホールとの取り合い部分
テラスの下は厨房。厨房にもしっかりと光が注ぎ込まれます。
庭側よりの外観
シンメトリーが良くわかります。
回遊式庭園があり、池を配置。竣工当時は池も今よりもかなり大きなもので、舟を浮かべて遊べるようでした。
庭園の休み処から眺める