セイナッツァロの役場 中庭に面した光の廻廊
セレナッツァロの役場の玄関です。実にヒューマンスケール。威張ってないし、クールな感じはしません。街の人達が暖かみと親近感を感じる玄関扉。役場というものをアルヴァ・アアルトがどのように捉えていたかが、この玄関扉で解るような気がします。
中に入りますと、正面に掲示板。
この木製の家具と言ってよい掲示板がまたデザイン的に美しい。照明のスイッチ関係もこの掲示板の右の扉の中に隠されています。
光を浴びる、玄関ホール。床の仕上げですが、このホールの一部が煉瓦仕上げになっています。この煉瓦の仕上げは、上階に昇る階段へと導かれます。
天井まで一杯のガラス開口部からは、先ほどの中庭が見えます。
そして、中庭をぐるりの廻る廻廊
ここは、まさに光に包まれたサンルーム。中庭と溶け込む空間。日本の縁側を連想させます。
壁は煉瓦、そして木のサッシと扉、床は、窓廻りに煉瓦のライン
中庭に面する開口部の下は、煉瓦のベンチになっています。そのベンチ下には暖房機が据えられ、冬の寒さ、ガラスからのコールドドラフトを防いでいます。煉瓦は蓄熱体として熱を保温。
この光の廻廊に面して、いくつかの会議室が設けられています。
その一つに入ります。
照明器具は勿論アルヴァ・アアルトの設計によるもの
大きな開口部からは、周辺の森を望むことができます。落ち着いた会議室
もう一度玄関ホールに戻ります。
右は、役場の事務室
事務室に入る扉も縦に木をぶつけたシンプルながら重厚感のある扉
そして、この扉の取っ手もアルヴァ・アアルト独自の暖かみがあるデザイン
そして、いよいよ議場へと向かいます。
この玄関ホールが極めて明るいので、この階段が暗く、そのコントラストが議場の重みを感じさせてくれます。床の煉瓦がこの階段まで続いていきます。