セイナッツァロの役場 4m盛られた中庭に向かう2つの階段

さて、中庭へと昇っていきます。この中庭は、4m盛り土されています。アルヴァ・アアルトはこの場所にイタリアの山岳都市と同じような変化に富んだ魅力ある空間を作りたかったのです。この中庭には2つの階段が建物のスリット部分に設けられ、一つはコンクリート、もう一つは木と土の階段となっています。まずは、木の階段から中庭へと進みます。 アイストップとなる煉瓦の議場の塔。まさに山岳都市の中心の塔ですね。 視界から煉瓦の壁が無くなり、大きな空が現れます。 右のルーバー庇が架かっているところが玄関アプローチ。大きな玄関がドーンと待ち受けるのではなく、どちらかというと住宅スケールのさりげない玄関なんです。 そして中庭です。大きなものではなく、丁度人が認識できる手頃な大きさ。 スケール感は本当に大切です。 ここは、2階のレベルになるので、ここまで上がると廻りの壁は平屋の高さしかありません。従って壁に囲まれる閉塞感は全く感じません。 そして、木製サッシの縦枠のリズミカルな窓がぐるりと中庭を囲みます。 夏になりますと蔦がからみ、緑と一体化。内部からは緑の開口部を介して中庭を見ることになります。 中庭の奥からの見返り そしてもう一つの面が、今は図書館となっている棟の外壁となります。 今昇ってきた木と土による階段リズミカルなランダムなデザイン。 中庭に昇るもう一つの階段がメインの階段です。1階から上がります。 そして、中庭へ。 庇ルーバーに導かれて玄関へと向かいます。