アルヴァ・アアルト パイオミのサナトリウム 優しい曲面の黄色い廊下
玄関に向かいます。
訪問客を迎えてくれるのは、ムーミンのような柔らかい有機的な形をした大庇です。マイレア邸にも同じような形の庇がありましたが、これは、アルヴァ・アアルトの好きな造形。優しく人を迎えます。また療養生活という患者さんにはちょっときつい感情を少しでも和らげようとする気持ちの現れかもしれません。
エントランスホールは曲面の造形と、優しく元気が出る黄色いカラーリング
受付カウンター、ブースも柔らかい曲面デザイン
細かいディテールも全て丸みを持たせています。
手が触れる部分も優しい。
階段と廊下は、床と天井がイエロー
その黄色い明るい色が光で反射して廊下や階段全てが明るい雰囲気で満たされます。真っ白な冷たい病院とは全く異なる、患者の気持ちを配慮したデザイン
階段の踊り場からは必ず外の美しい森の景色が望めます。
手すりもどこか愛らしい
患者さんが、移動する廊下や階段は、気持ちが入れ替わる大切な場所です。
その心の動きをどのような形や色で表現するのか。このパイオミのサナトリウムでアルヴァ・アアルトが用いたデザインやカラーコーディネートは、これからの建物にも十分参考になるものでした。