漆工芸家 建田良策氏のうるしのテーブル
横浜日吉の家の1年目の検査に行ってきました。こうしてクライアントさんが住まわれてからの家を訪ねて感じるのは、完成したときよりも格段に空間というか空気感がよくなっているということ。やはり建築は人が住み、働き、遊び、その人のエネルギーがしっかり反映されていくんだなと改めて思いました。本当にできたての建物のように綺麗に使われていて、感動しました。1年の季節の中で木が反ったり、建具が少し下がったりはしますが、そこは調整しながら慣らしていけば大丈夫。やっぱり家族を育む家は良いものだと思い、これからもまた良い家を創らないとと、気が引き締まりました。
このリビングにはリビングテーブルが竣工時に無くて、その制作を京都のうるし工芸家の建田さんにお願いされてました。そのうるしのテーブルが最近完成し、リビングに置かれています。
テーブルの天板の木はとちの木。とちの木の木肌は、深い文様があり、見事にそれが表現されている、なかなか手に入らない板を使っての作品です。お話を伺うと、一度テーブルを造ったけれども、どうしても天板が気に入らなくて、もう一度木を探し求め、手に入ったこのとちの木を用いて製作されたとのこと。建田さんのこだわりを感じます。
ソファーのどこに座っても、お茶が飲めるというクライアントさんの要望に応えた大き目のサイズですが、このリビングの空間にも見事に納まっていました。
うるしの家という名前にぴったりの日吉の住宅。床のフローリングにうるしを塗っていただいたのも建田さん。そのうるしのフローリングも年数が経つことで、更になじんで深い趣のある床になっていました。これはもう、自然素材でないと決して味わえない喜びですね。
こちらは、中庭
すだれもいい感じ。クライアントの奥様が作られた可愛い盆栽も中庭に彩を添えます。