ルイス・カーン キンベル美術館(2)
地下部分の入口から中に入ると、正面に1階に上る階段があります。
手摺がまたしびれるディテールで、金属の1枚板を曲げて造ってあります。
存在感がありかつ空間を締めるデザインです。
一歩一歩踏みしめて昇っていきますと、美しく光を受けとめているボールト天井が見えてきます。
階段を昇って振り返ると、そこが本来のエントランスホール。
まず、天井の美しさに感嘆の声を発してしまいました。今まで何度も写真で見たことがあるのですが、これほど美しいとは思いませんでした。コンクリート素材そのものなのですが、反射板で反射した光がドームの天井に当たり優しく廻りこみます。コンクリートが何かシルクのような感じさえしました。
床はフローリング。柱と天井はコンクリート。壁はコンクリート、トラバーチン大理石。部分的に木。
それぞれの素材が無理なく納まり、すばらしいハーモニーとなって空間を包み込んでいます。
突き当たりには中庭が見え、外との繋がりを演出します。
光る天井ボールとが連続する展示室は、柔らかい光に包まれ美術品を非常に見やすい明るさとしています。
形態は単純な連続型ですが、まずスケールが見るものにとって非常に落着くスケールで、大きなリビングルームでゆっくりと鑑賞するといった感覚です。次に形態が単純で厳格なため、ひかりを認知しやすいのではないかと思います。