藤村記念館(1)

岐阜県馬籠にある島崎藤村の記念館です。設計者は谷口吉郎。施工は村人でした。黒い塀が少し街道から引っ込んで伸びており、そこに門型の開口があります。奥に白壁の塀がもう一つ控えていて藤村の「血につながるふるさと。心につながるふるさと。言葉につながるふるさと。」という言葉を記した朱塗りの扁額が迎えてくれます。 白い壁、そして朱塗りの額が黒い外壁の額縁を通してパースぺクティブに展開し、自ずと足が進みます。 白い壁から左を向くと、入口がありそこから内部へと導かれます。 一瞬見える中庭の解放感と、内部展示通路の対比が面白い。 壁の下部は開放されていて、外部と繋がっており空間の流れと拡がりを感じます。ここは、前室的扱いです。奥には1枚の引き戸があり、その奥に土間床の空間が待ち構えています。