フランス大使館 no man's land
取り壊されるフランス大使館で行われている「No man’s land」展に行ってきました。70人近くのアーティストが参加し、フランス大使館の執務室や、食堂など全ての部屋を使った展示会です。建物は、1957年何と今から52年前にフランス建築家ジョゼフ・ベルモンが設計した建物で、均等に整然と並ぶ執務室の大きなガラス開口部、そのサッシのプロポーション、無駄と装飾を除いた外観、入口の反りを持った玄関コンクリート庇など近代建築の先駆の建物です。
スロープを登って玄関庇をくぐると、大きな中庭があり、沢山の樹木が植わっています。一度建物の中に入るのですが、そこは半外部で、気持ちが切り替わる結界です。以前からプログで書いていますが、こんな中間領域が空間的にも、意識の上でも「チェンジ」する場として私はとても大切だと思います。
その中庭を見ながら建物に入るのですが、執務室からは大きな開口部を通し木々の緑が目の前に拡がり、癒されます。
階段室はシンプルですが、曲面を利用した柔らかさと、開口部を通して見える外部のダイナミックな景色が、自然に足を上へと登らせます。
来年1月30日まで開催されています。建物も展示も楽しめます。