奈良町屋の改修(1) 藤岡龍介+藤岡建築研究所の高畑の家を見学

奈良の町屋を改修し、昔からの町屋を再生、今に活かす設計の取り組みをされている藤岡さんの紹介で、 いろいろな町屋を見学しました。 古都奈良においても年々町屋が解体され、新しい新建材の建物に変わっていますが、町屋の持つ魅力を十分理解し、 その構造体や空間性を改めて組み立てなおし、現代の生活も十二分にでき、しかも魅力的な住まいを設計している藤岡さん。 その古いものを活かす、生き返らせる執念は素晴らしく、いくつか見学させてもらいましたが、どの建物も素晴らしく魅力的な建築ばかりでした。 これからの時代にも十分使える機能美と空間美。いまの新建築では無しえない時代の重さ、魅力を感じさせてくれる建築です。 まずは、高畑の家。 こちらがファサード。 正面の格子が美しい。 藤岡龍介 入りますと土間が続き、左手に上がりが。 土間にはキッチンを配置 藤岡龍介 玄関見返り。格子扉の向こうが玄関土間です。 奈良町屋 通り土間には吹抜けになっていて、2階に上がる階段がシンプルで美しく、アイストップになっています。 土間は左に回り込んで、ここはキッチンとつながるダイニング 奥の庭まで直線的につながっていて、奥の庭からの採光で十分明るい。 藤岡龍介 奥の庭も相当な奥行があります。 藤岡龍介 土間と上がりの床の段差は400程度。 床の段差があることで、空間に拡がりを感じます。 通常新しい建築では天井を吹抜けにして床はフラットが多いのですが、こうして土間を上手く利用すれば、大きな吹き抜けがなくても 楽しい空間構成ができます。 キッチンと階段部分の関係性。こちらは、町屋独自の吹抜けもあり、さらにダイナミック。 藤岡龍介 奥の間から和室を見る。 土間との間の壁は障子と板戸。板は、小さな子供が落ちないようにするための造作 町屋改修 土間のところは、玄関と床がつながりますが、なんとなく靴を脱ぎます。 昔は土間は土足でしょうが、ここでは履き替えます。床暖房が入っているのでまったく問題なく、むしろ気持ち良い 玄関の上がり部分とファサード側の格子を内側から見ます。 藤岡龍介 玄関はいって、左にあるのがこの間。 昔は接着の間や、商店の店舗として利用されていました。 障子と板戸を開け放つと格子だけになり、風通し抜群。 町屋改修 こちらは、奥の和室からファサードをみたところ 町屋改修 素晴らしい。