フランク・ロイド・ライト 落水荘(2)
橋を渡って左に建物を見ながら廻りこんでいくと道路に架かるパーゴラが岩と建物の間に架かり、左側のエントランスへと導かれます。
既に生えている木を尊重して、パーゴラはそれをよける形態となっています。
建物のボリュームに対してエントランスは、影にかくれるようにあるのがライトの住宅です。またぐっと空間を絞っておいて、内部に入るとパーっと拡がるその高昇感を狙ったものでもあります。
私は、外から玄関に至るみちを非常に重要視しています。そこは外部から内部へ至る気持ちを切り替える場としてとても重要だからです。
ですからいきなり建物に入らず、出来る限り引き込みのある空間を作ります。ライトの住宅は、まさにその見本と言えます。
アポローチが長く、期待感が膨らんできます。
玄関扉の左右は、スリットになっていて、右側には水盤があります。
左のスリットからは、川へ突き出すバルコニーと、2階テラスに上がる階段。さらには、川に沿って設けられたプールへと下りる階段がプロポーションよく納められています。
何ともしびれるエントランスアプローチです。